「ふるさとの小径を行く」 -154/168page
女神山
糠田と秋山の境にある標高五九九メートル、小手五岳の最高峰で信仰の山です。月舘町教育委員会では重要文化財(名勝)に指定しています。登山道としては、入山口が一般的ですが、他に秋山からのもあります。
この山は、古くは水雲山と呼ばれ、又、東岳、御上山と記した文書もあります。信達一統誌には「信夫城主佐藤庄司基治が娘薬師の尊像を背負い奉りて 此峯に登りぬ…(中略)…此女神山を青木邨嶺と陰陽合体の山にして筑波山の女体を移せしと云えり…(以下略)」また、古歌として「女神山繁き小笹の露分けて入そむるより濡るるそで哉」が記されています。山中にある名石(蛇石、釜石、東物見石、西物見石)とともに人々に親しまれてきた山です。
山頂に大岩があり、そのわきに小祠があります。多久幾千々比命、伊佐奈岐命、伊佐奈美命、小手姫命の四柱を祭神としています。この大岩は四柱神の御神体でありますが、別に雨石(雨乞石)とも呼