「ふるさとの小径を行く」 -158/168page
天平・七曲りの大松
天平の地蔵堂の側の道を東へ沢沿いに十分ほど歩いたところに「七曲の大松」と呼ばれる大木が雑木林の上にぬきんでた形で生えています。樹齢は四百年ぐらいといわれ、高さ六十メートル、目通り五メートルはある大きなもので、恐らく町内一の大松でしょう。根方に山ノ神碑があり、信仰の対象として大切にされてきたもののようです。太平洋戦争のとき、松根油を採取するため、町内各地の大松を切りました。あと二〜三日終戦が遅れればこの松も切られる運命にあったということです。
この周辺は耕地もなく、自然も汚染されていないので、清流には昔ながらの魚影を見ることができます。
軽便鉄道
模型機関車のような軽便鉄道が川俣から掛田の間を通っていました。足の速い人は容易に追いつくことができて、よくとび乗ったものだそうです。
線路は、ほぼ今の国道に沿っていましたが、御代田の一部と下手渡の字町地内は少しはずれます。駅は、岩代月舘(今の月見橋の近く)と下手渡にあり、