先人の偉業 戒石銘の精神に学ぶ -016/024page

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二本松藩戒石銘240年顕彰事業記念碑序幕式・式辞

式 辞

 本日、ここに多数のご来賓の方々のご参列を賜わり、二本松藩戒石銘刻銘二百四十年顕彰事業記念碑の除幕式を挙行できましたこと、衷心より深く感謝申し上げます。

 ご案内のとおり戒石銘は、二本松藩五代藩主丹羽高寛公が藩政の改革と綱紀の粛正のため、儒臣岩井田昨非の進言により、藩士の戒めとして藩庁門前すなわち現在のこの地の自然石に刻ませたものであります。

 藩士が登城、下城する際に誦じたという四句十六字の精神は、藩政時代はもとより刻銘以来二百四十年経った今日においてもなお厳然として息吹いており、公人たるものの指針として、又現代に生きる価値ある教育資料とLて、高く評価されておるところであります。

〜 中  略 〜

 戒石銘刻銘二百四十年の記念の年に本家中国の戒石銘碑がよみがえり、これを契機に京山県と二本松市の、更には日中両国の友好交流の新しい道が開けたことは、無上の喜びとするところであります。

 当市におきましては、戒石銘碑の保護、保全を図るため、かねてより進めてまいりました周辺整備事業もこのように完了し、顕彰事業の総決算ともいうべき、記念碑の除幕式をここに中華人民共和国駐日本国大使館並びに湖北省京山県の友好訪問団の皆様をお迎えして挙行できましたことは、誠に感謝の極みであります。

 私は、先人が残された偉大なる遺産、この戒石銘の精神を実践によって顕彰し、広くその精神の普及啓蒙に努めることを本日あらためて誓うものてあります。

 最後になりましたが、ご参列賜わりましたご来賓、市民の皆様、そして工事関係の皆様方に厚く御礼申し上げ、式辞といたします。

平成元年十一月十四日

二本松市長  大河内  鷹

 このあと、訪中団は市内の企業、農家、学校などを視察し、今後の友好交流の具体化に向けて、関係者と会談して無事帰国されました。

参列者の声より
 除幕式に参列した京山県の訪日団の方々は、戒石銘の精神による日中友好のかけ橋をしっかりと自分達の目で確かめた思いがすると、その感銘を心から伝えてくれました。

 翌日から二本松の自然・産業・文化を視察した殷団長をはじめ団員の方々から常に口をついて出た
 「すばらしい。すばらしい。」
という言葉がまだ耳に残っています。

 「すべてを京山県に伝えよう。」「二本松との友好の絆(きずな)をこの手でより強いものにしよう。」という意欲を目の輝きから感じることができました。

 平成元年以後、二本松市と京山県との交流は、市民の参加のもとに毎年実施されています。

 また、農業研修生を受け入れるなど、産業振興にも協力し合っています。


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