上川崎和紙 -003/017page

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手漉き和紙の里 安達町 上川崎

阿武隈川の清流に育まれた伝統の技が今も残る。

美しい水を満々と湛え流れる阿武隈川の畔りに、千年の伝統を受け継ぐ手漉き和紙の里がある。安達郡安達町上川崎。安達太良山を正面に望み、忘れかけた美しき日本の原風景のような故郷で、ひっそりと、たおやかに技は伝えられてきた。すぐそばには、かつて多くの旅人を運んだ川之端粟舟の渡し場跡があり、今は近代的な”智恵子大橋”が掛けられているが、その懐かしい風情は千年の時を超えても変わらず心に染みる思いがする。この地で紙漉きが始められたのは冷泉天皇(967〜969在位)の頃といわれる。詳しい伝承由来は不明だが、阿武隈川の清流に起因するのは間違いのない話であろう。

地図

川之端粟舟の渡し場跡

かつて多くの人々を運んだであろう粟舟の渡し場跡は、いま公園として整備されている。当時の面影は薄れているものの、この公園にたって阿武隈川の清流を眺めると、往時の行き交う人々の声がかすかに聞こえるような気がする。

川之端粟舟の渡し場跡

智恵子大橋

粟舟の渡し場跡につくられた東和町と安達町を結ぶ智恵子大橋は、この地域の重要な交通の要所である。平成4年10月、全長158m、のこの橋は多くの人々の夢と期待をつないで完成した。

智恵子大橋

阿武隈川の清流

阿武隈川は那須の山々を源に、福島県の中通り地方と呼ばれる中心部を縦断するように流れ、周辺の町や村に多くの恵を与えてくれる。上川崎和紙もその一つ。紙漉きは水が最も澄む冬場が最盛期。冷たく清冽な流れから、温かなぬくもりをもつ和紙が生まれる。

阿武隈川の清流


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