もとみや 小学校社会科副読本 - 075/101page
(2)工事の苦労と工夫
岩色疏水が開かれるまでの歴史(れきし)を年表にまとめてみました。いろいろな工夫がわかりました。
西暦 年号 で き ご と1564 永禄7 畠山六左エ門秀富(はたけやまろくざえもんひでとみ)が石川原の地をもらいうけ同志とともに開たくし,苗代田(なわしろた)村(岩根)岩色の五百川に堰をきずき開田し,水を引いた。 1565 永禄8 石川原をあらためて関下村とよんだ。 1566 永禄9 関下村完成,米のとれ高5斗5升。 1615 元和元 秀富の子,宗富(むねとみ)が岩色疏水を57町20間(約6.25km)下流にのばした。このため水田がいたるところに開かれ,荒井村,仁井田村が独立村となり,三本松,沢田の部落(ぶらく)もできる。 1623 元和9 宗富,この年の秋より3年間に三本松新田111石2斗2升を開いた。 1668 寛文8 宗富の孫(まご),直富(なおとみ)が岩色の大岩に152.7kmのトンネルをほり堰場を上流にうつした。この工事に10年かかった。この堰場によって苗代田村300石。関下村541石5斗5升,荒井村934石7斗3升,沢田83石5斗9升,三本松111石2斗6升,仁井田村400石,青田村200石の水田に水を送ることができた。さらに,仁井田村吹上,本宮南町にわたる100石の水田を開くことができた。この大工事によって2669石8斗あまりの水田を開くことができた。
1石(こく)=10斗(と)=180g 1斗=18g 1升(しょう)=1.8g○ 大岩トンネルをほりました。
○ 木のくい,竹かご,石がきなどをくみあわせて,せきを作りました。
○ ろうそくをもやして,めあてをきめ,ほっていきました。
○ 穴の中で火をたいて,岩をねっし,急にひやしてこわしやすくしました。
○ 高さをそろえるため,サイフォン式用水法を作りました。
○ 松の木のといをつないで,用水路を作りました。