東和町町勢要覧 -017/042page

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祭りの心を、いつまでも変わらず伝えたい。

厳冬の12月、山すそにはためく色とりど りの幡(はた)(旗) ― 900年以上の歴史を誇る 『木幡の幡祭(はたまつ)り』。その始まりは前九年の役 の故事にちなみ、村人たちが源氏の白旗に 見立てた幡を奉納するようになったと伝わ ります。もともとは旧暦11月18日に豊作や 無病息災を願う祭りでしたが、担ぎ手の多 くが農業以外の職に就き、平日の参加が難 しくなったことから、現在は12月第1日曜 日に行われています。
 祭りの主役となる五反幡は、前日に女性 たちが反物を縫い合わせ、男性たちが切り 出した太い竹竿に縫い付けて作られます。 その幡を各堂社(どうしゃ)(9つの行政区)から出た若 者が担ぎ、先達幡(白の五反幡)を先導に冬 の尾根伝いを進み羽山(はやま)神社に参拝し、 隠津島(おきつしま)神社に向かいます。勇壮に法螺貝(ほらがい)が 響く中、華麗な五色の幡が冬空にひるがえ る様と山々とのコントラストが見事で、沿 道には多くのカメラマンが訪れます。一方 で15〜20kgにも及ぶ幡の重さは、吹き付け る安達太良おろし″でさらに増し、竿を振 る手にも力が入ります。華やかな祭りの裏 側で、頑ななまでに守り受け継がれている 伝統の重み ― それが、見る人の心をつか んで離しません。
太郎餅つき
太郎餅つき
幡競争
幡競争
幡行列
幡行列
羽山神社参拝
羽山神社参拝

連綿と受け継がれる祭りのかたち

■ 胎内くぐり・権立よばり
 参宿所より1キロ先の胎内くぐり岩に到着し たら、太刀と袈裟を岩前に納め大岩の上に一人 ずつ行き、70センチほどのようやく人がくぐら れるほどの岩の割れ目をくぐり抜けます。全員 がくぐり抜けると権立よばりの儀礼を行い、そ の後、検しい坂を上り羽山神社に着いたら小豆 の入った粥を食べ、神社の三方に向かって参拝 しやっと一人前として扱われます。
胎内くぐり

権立よばり


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