平成13・14年度版 ふるさと郡山の歴史 -026/041page

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10 明治・大正・昭和

郡山市文学資料館

▲郡山市文学資料館

まさおくん

これは、総合体育館のとなりにできた「郡山市文学資料館」だね。 郡山市にゆかりのある作家の資料を集めたっていうけれど、いったいどんな作家がいるのかな・・? 一度,行って見てみたいな。

博士

そうなんだ。これは、平成12年にオープンした「こおりやま文学の森」の中にある「郡山市文学資料館」だよ。 実は、明治から昭和にかけて、とてもすばらしい作家たちが、この郡山市で生まれたり、育ったりしているんだ。 それを、みんなに紹介するために作られたんだよ。

みんなは、郡山市に「久米賞」や「百合子賞」という賞があるのを知っているかな?平成13年で、40回も行われている 歴史のある賞だよ。みんなの学校の上級生や友達の中にも、賞をもらった人がいるんじゃないかな。 聞いてみてごらん。

実は、この「久米賞・百合子賞」は、郡山市にゆかりのある「久米正雄(くめまさお)」と「宮本百合子(みやもとゆりこ)」 という二人の作家にちなんで作られた賞なんだ。この「久米正雄」と「宮本百合子」という二人の作家はどんな作家なんだろう。

久米正雄

▲久米正雄

久米正雄は、長野県で生まれ、その後、開成小、金透小、安積中学(今の安積高校)で学んで人なんだよ。 そうだ、金透小には、「春雪に古(ふ)るは明治の出窓かな」[三汀(さんてい)=久米正雄の俳号] の碑があるから、ぜひ見てごらん。
久米正雄は、大学生の時に、開成山の牧場をモデルにして、「牛乳やの兄弟」という作品で劇作家として スタートしたんだ。郡山市を舞台にした作品は、他にも「地蔵経由来(じぞうきょうゆらい)」や「阿武隈心中(阿武隈心中)」 があるんだ。
この後、「羅生門」などで有名な芥川龍之介とともに、「吾輩は猫である」などを書いた夏目漱石のもとで、 作家活動に励んだんだ。特に、「蛍草」や「破船」という作品は有名で、大正時代を代表する作家の一人だ。 また、小説だけでなく、三汀(さんてい)という名前で、たくさんの俳句も作っている人なんだ。一度、久米正雄の作品を 読んでみてはどうだろう。

宮本百合子

▲宮本百合子

宮本百合子の祖父は、安積開拓で有名な中条政垣だよ。宮本百合子は開成山での体験を「貧しき人々の群」という 作品に書き表している。これは、とても有名な作品で、宮本百合子の代表作なんだ。さして、「お久美さんとその周辺」や 「禰宜(ねぎ)様宮田」、「三朗爺」など、開成山を舞台にした、たくさんの作品を出しているよ。戦後も、 「藩州平野」で郡山市を描いている。宮本百合子は郡山市を舞台にした作品を数多く出している。 昭和を代表する女性作家なんだ。
郡山市の豊かな風土が、二人の有名な作家の作品とも結び付けているんだね。この二人の他にも、郡山市に関係する 有名な作家がたくさん出ているんだよ。


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郡山市の許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。