1999 須賀川市勢要覧 「和 TAIWA」 -027/044page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

[町人文化が息づく俳句ポスト]

万葉の歌碑
翠ヶ丘公園内には万葉集に詠まれた植物が沢山自生しています。平成2年から2年がかりで、その植物にちなんだ万葉の歌碑60基を設置し、「万葉の径」が整備されました。園内を万葉人の気分に浸りながら、ゆったりと散策し、緑豊かな自然に触れていただこうとするものです。碑文は、当時の中学3年生に書いていただきました。

 「奥の細道」に旅立った松尾芭蕉が、7泊8日逗留した須賀川は、現在も俳句の盛んなまちです。

 昭和60年、須賀川市は市内の景勝地20か所(平成11年現在22か所)に、「俳句ポスト」を設置しました。豊かな心と文化をはぐくむまちづくりの一環として。また、市民と訪問者との、俳句を通した心の触れ合いの場として。

 この俳句ポストには、投句用紙が備えられており、だれでもが、その場で思い浮かんだ即吟の句を投句できます。毎年、約1,200人の市民や観光客などから、約3千句の投句があります。

 開函は、年3回。入選作は広報紙上などで紹介するとともに、年間投句選集を作成し、入選者全員に贈っています。さらに、毎年4月下旬の牡丹園開園式に合わせ、年間最優秀旬に輝いた方を表彰しています。また牡丹園正門前の庭園には、「後世に残したい句」として作者自身の書による句碑も建立しています。

[世界一小さな国際映画祭]

 平成元年から始まった「すかがわ国際短編映画祭」は、世界でただ一つの短編映画祭。毎年5月、須賀川市文化センターにおいて、約20本程の作品が上映されます。市民はもとより、全国の映画関係者や愛好家たちが、毎年楽しみにしているイベントです。

 今ではすっかり「世界一小さな映画祭」として定着しましたが、発端は、広報紙の座談会でした。須賀川市出身の記録映画カメラマンが、「まちづくりのために」と提案したのです。そして現実に、この提案実現のため、多くの市民や映画関係者から成る実行委員会が組織され、現在に至っているのです。

 この映画祭の会場にもなる文化センターでは、一年を通して、歌舞伎や海外オーケストラの公演など、多くのビッグプログラムが催されるほか、身近な演劇やビアノ発表会などといった市民レベルの催しも盛んです。

文化センターでは、年間を通し、各種公演が催されています
文化センターでは、年間を通し、各種公演が催されています

 心の豊かさをはぐくむ場を数多く提供したい…。そのため、須賀川市は、文化面の環境整備にも力を注いできました。

 市民の触れ合いの場として、平成2年3月に完成した「ふれあいセンター」もその一つです。夜11時まで開館し、平成元年に創作されたふるさと創生事業の一つ「松明太鼓」の練習や、各種サークル活動などに、幅広く利用されています。

[だれもが気軽にスポーツを楽しむまちへ]

 平成6年3月、文化センター前に「須賀川アリーナ」が完成。福島空港開港と市制40周年の記念事業として、建設されたものです。この施設は、県内でも有数の広さを誇るメーンアリーナ(最大収容人員5,004人)をはじめ、サブアリーナやトレーニングルームなどを備えています。「ふくしま国体」の卓球競技は、ここで盛大に開催されました。

 また、同年5月には、阿武隈川と釈迦堂川の合流地点に「市民スポーツ広場」がオープンしました。ここは、「釈迦堂川全国花火大会」の打ち上げ場所でもあり、その安全確保の面からも、3.2ヘクタールという広さを有しています。野球やサッカーなどのほか、多目的に利用されています。さらに平成7年3月、同敷地内に屋内スポーツのための「市民スポーツ会館」を建設しました。

 だれもが気軽に、年齢や体力に合ったスポーツを楽しむことは、人間性豊かなまちづくりに欠かせない要素です。須賀川市は、そう考えています。

須賀川アリーナ
「須賀川アリーナ」の名称は、市民公募で決定。またメーンアリーナのステージ緞帳の絵柄は、市内の小・中学生2人の作品をモチーフにしています。 

平成10年8月に誕生した市役所1階の市民ホール
平成10年8月に誕生した市役所1階の市民ホール 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は須賀川市教育委員会に帰属します。
須賀川市教育委員会の許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。