須賀川市人物読本 先人のあしあと -018/134page
二月三日に江戸に着きました。江戸では、俳句のなかまの一具庵夢南(いちぐあんむなん)という人の家をかりて、約三か月の間、江戸から鎌倉(かまくら)・江の島まで歩きました。そして、俳句の友だちや学者たちと交(まじ)わったので須賀川のたよ女の名は、広く知られるようになりました。そのことを、次のように書き残しています。
- 旅なれぬこころは、きくもの見るもの、野に山
- めずらしく、それとさだめたる趣向(しゅこう)もいでこず
- ふところ紙にかいつけたるくさぐさ
- 草枕(くさまくら)まくらの下の春の水
- はじめて士峰(しほう)(富士山)を望む
- 父母に逢(お)うたここちや富士の山
- <現代語訳(げんだいごやく)>
- はじめての江戸への旅なので、野や山など、見るものきくもの、ひとつひ