須賀川市人物読本 先人のあしあと -020/134page
この歌は、大正元年(一九一二年)文部省(もんぶしょう)小学校唱歌(しょうか)四年生にのっている『藤の花』という題の唱歌です。この歌の「 」の部分は、たよ女の俳句です。この唱歌は、昭和十年に新しい本ができるまでの二十五年間、全国の児童に歌い続けられました。
- <現代語訳>
- 野も山も、春の静かな雨にぬれかすんでいました。やがて晴れてくると、水かさいっぱいになった小川にかかっていた水車が、勢いよく回りはじめます。美しい陽が、小川のそばのしぶきにぬれた藤の花を、きらきらと照(て)らしていました。
この唱歌からみても、市原たよ女の名が、全国に知られたことがよくわかります。次に、たよ女の俳句を味わってみましょう。