須賀川市人物読本 先人のあしあと -038/134page
うになりました。
ある日、お父さんは、しょうらいりっばな人間になるようにと、菅原道真(すがわらみちざね)をまつった小平潟(こびらがた)の天神さまにつれて行きました。久敬が九才のときでした。この日の会津磐梯山(あいづばんだいさん)は、青い空にくっきりとした姿をあらわし、近くの猪苗代湖は水をまんまんとたたえていました。久敬は、はじめて見た雄大(ゆうだい)なけしきに、目をみはりました。
「こんな山の中に、こんな大きな湖があったのか、この水を須賀川に運べたらなあ。」
と、しばらく砂浜(すなはま)の波う