須賀川市人物読本 先人のあしあと -048/134page
お祝いの式がはじまって、江持村の戸(こ)長(村長)が、一年半もかかってほりあげたその苦労に対し、感謝のことばを話されました。あいさつが終わると、いっせいに拍子(はくしゅ)がわきおこり、いつまでもやみませんでした。
亀五郎は、天保十四年(一八四三年)、田村郡栃本(とちもと)村の農家の長男として生まれました。栃本村は、須賀川から小野新町(おのにいまち)に通ずる道にそって、山と山にはさまれた東西に細長い村です。亀五郎の家では、田畑が少なかったので、秋の農作業がすむと、炭(すみ)やきの仕事をしていました。