須賀川市人物読本 先人のあしあと -062/134page
また、明るく元気で友達とも仲が良かったので、みんなに好かれました。
春になってさくらのつぼみがふくらむと、村の人々は、田畑に出て苗代をつくったり、種をまいたりします。
さくらの花がさくころ、うずみね神社のお祭りになり、山に登れるようになります。この日は、近くの人々がたくさん山に登って一日中にぎやかになります。
頂上(ちょうじょう)に立って四方を見わたすと誠に雄大(ゆうだい)な景色(けしき)なので、人々の気持ちも大きくなり、胸いっぱい希望がふくらんできます。
民吉郎もまた、遠くの空をながめながら大きな夢をもつようになりました。ニ宮金次郎や偉人のものがたりを読むにつれ、江戸にいってもっともっと勉強したいと思うようになり、両親にお願いしました。
両親は、民吉郎があんまり熱心なので、のぞみをかなえてやることにしました。
民吉郎は、米を背(せ)負いニ百四十キロメートルもある遠い道を歩いて、江戸に行き有名な坂本玄斎(げんさい)先生のじゅくに入りました。