須賀川市人物読本 先人のあしあと -114/134page

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ずれたり、かみの毛がぬけたりします。そうなると、男女の区別もつかないみにくい顔になってしまいます。「人には見られたくない。」「見るのもこわい。」と思われる病(やまい)を治りょうする医者になろうと決心したことは、「ふつうの医者になるな。」という父の言葉が、いつもケサの心に根強くあったからです。

 ケサは、女医のしかくを持(も)ちながら、東京の慈善(じぜん)病院でかんご婦としてつとめました。かんご婦の仕事は、病人を相手にするには、大切な仕事と考えたからです。そこで、かんご婦の三上(みなかみ)千代子とめぐり会いました。

 千代子は、ケサより少し若い人ですが、ライかん者のために何かをしてあげたいと思っていたクリスチャンでしたから、二人の心は、よくにていました。

 二人は、生きる希望をなくしたライ病の人たちに、「神が、あなたを守っていますよ。そして、わたしも、あなたの友だちなのです。」といって、くずれかかった手をにぎってはげましました。

 ある年、イギリスのコンウィール・リーという貴婦人が日本をたずねてきまし


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