長沼町の伝説 -009/224page
猫堂の由来 《志茂》
今から約二百五六十年前の話。
古い野良猫が多く集まり、村に出て来て、鶏や飼猫やまた家 の中まで荒して、村人は大変困り果ててしまった。
何とか猫を遠くにやることはできぬかと、庄屋の家に集まり 相談した。その結果、「猫の好きな食物を与えるしか仕様がなか んべい」、と話が決まった 村の北の方、一キロほど離れた所 に、二間四方の御堂を建てて、猫の好きな食物を村人がかわる がわる集めて、その御堂に置いて来るようにしたところ、猫ど もは踊りを踊ったりして遊ぶようになり、それ以来村に出て来 ても鶏や飼猫に害を与えなくなったという。
それからその土地を猫堂と呼ぶようになり、今も上猫堂、下 猫堂という地名が残っている。
(話者 小林喜義)
ペコッ原の猫の踊り 《小中》
旧小中街道、弥吾坂の頂上に、ペコッ原という広い所がある。