長沼町の伝説 -029/224page
歯欠山 《勢至堂》
勢至堂屋敷の北、戸渡林道の途中の西側にある半円形の山で、西側より見ると岩石が起立して、人の 歯が欠けたように見えるのでその名がある。
岩石は石英が多量に含まれていて、庭石には最良と、見る人の目を楽しませてくれる。真向いに鬼面 山の岩が見え、天狗が歯欠山と鬼面山を往復したといわれる。
岩の上に銚子に酒を入れて供えて置いて明日見ると、酒は無くなっているという。天狗様が飲んだと いわれる。
なお、この岩下より鉱泉が湧出ていて、風呂に湧かすと神経痛、神経衰弱、動脈硬化症等に効能があ るといわれている。
(話者 石井政司)
ハケゴ石にまつわる話 《長沼》
城山の東端に大きな岩が立っている。下は麓まで切りたった断崖になっていて、下から望むとハケゴ の形に似ているので昔からハケゴ石といい慣らされている。この石はハケゴの口に当る部分と身に当る 部分との二つからなっている。上の石の手前に女の人の足がはいる位の凹みがあるので、人呼んでお姫 様の足跡という。また石のふた(上部の石?)を取ると血の雨が降るという神秘めいた話が今日まで言い