長沼町の伝説 -037/224page
滝の三清水 《滝》
滝地区には、天神山の清水、あけび山の清水、石妻の白清水がある。
天神山の清水は、安政年間に百日照で病人や死人が出た大旱魃の年があったが、全然水が涸れること なく、村人ののどをうるおしたという。
石妻山の石沼八幡神社にある石妻の白清水は、桓武天皇の御代、坂上田村磨がこの清水で身を清めて、 戦勝祈願をしたと伝えられている。
この清水は、雨の日が続くと、白い米とぎ水のよ うなものが出るので、白清水といわれた。
あきび山の清水は旱天でも涸れることなく、こん こんと湧き出て、町の水道源となっている清水であ る。
あきび山の清水を飲みたいという病人は、決して 助からないと言われ、末期の水であった。
(話者 江連 栄)