長沼町の伝説 -039/224page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

様が重い病いにかかり苦しんでいるとき、滝の湯の効能を聞いて、会津よりはるばる湯治に来て病いを なおしたという。このことは、会津の旧家に残る古文書に記されているといわれる。

 今なお、皮ふ病、火傷、打身、切傷、骨膜腫物、踏抜きなど諸病に効くといわれて、近郷近在はもと より、他県からの湯治客でにぎわっている。

        (話者 小針平・鈴木明)

薬師清水 《志茂》

 志茂日向屋敷の中ほどに、二間四方の薬師様の本堂 がある。本尊様は高さ一・二メートルほどの金色の薬 師如来である。

 御堂の庭の下から湧き出る清水がある。水量が多く、 水質も良く、昔は酒造りに使われたという。屋敷の人 々は、薬水と呼んで、病気のときは必ずこの清水の水 を服用した。これは医学が現在のように進歩しない時 代で、薬草、家伝薬に頼った頃である。

 この水を使用すれば、難病も治る、無病息災と言い

薬師清水
薬師清水


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は長沼町教育委員会に帰属します。
長沼町教育委員会の許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。