長沼町の伝説 -047/224page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

 大昔、戦に敗れた侍が、清水を飲んだところ、数刻で死んでしまった。さらにある夏の日、荒代かき をしていた村人に、一人の旅僧が来て、「水が飲みたいが、この辺に清水はないか」とたずねた。

 「水はあるが、そこの清水は毒だ」と村人は答えた。「湧出水に毒はない」といって、僧はその清水を飲 んだ。

 村人は昼飯時で家に帰り食事をすませて、小娘に馬 を引かせて明道の墓前を通りかかったところ、馬がい ななくので、立ち止まって見ると旅僧が倒れていた。 その旅僧が別の水が飲みたいというので、別の所の水 を飲ませたが、死んでしまった。それ以来二人も死ん だ清水を毒清水と呼ぶようになった。

 村人は、待の時も、僧の時も、ねんごろに葬ってや り、清水の良い水になるように、祈祷してもらった。

        (話者 吉田庄一・吉田一郎)

毒清水
毒清水

六光内清水

 大字桙衝字六光内耕地内に六光内清水という地名があり、昔からこの地に弁天様を祀って、二十三夜


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は長沼町教育委員会に帰属します。
長沼町教育委員会の許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。