長沼町の伝説 -054/224page
明治初年、神仏分離の命により、牛頭天王社を八雲神社と 改めた。天王様の御神輿は陰暦の閏年の六月十四日、宵祭の 夜行われる。
御神輿渡御は上木之崎と下木之崎の両地区が交代で出す。 獅子頭は、上木之崎は雄獅子、下木之崎は雌獅子で踊る。
午後から総代宅に集まり、準備して暮色迫る頃出発する。
屋敷の辻などで獅子を振り、神社に進む。正面鳥居より百 メートル位の所に御仮舎を設け、ここに神輿を移す。神官が 御神輿に御神体を遷して、神輿渡御の行事が執り行なわれる。 だし振りは軍配を振り、獅子振りを導く。社殿を左より一周 して昇殿する。青年が拝殿の屋根の上から、ぐし餅をまく。 仮舎より昇殿まで約二時間かかる。
天王様の夏祭りに、獅子舞が奉納されるようになったのは 江戸時代の中後期の頃といわれているが、はっきりした事は 分からない。
夜の獅子舞は稀らしく、桙衝神社の昼の獅子舞と対照的であ る。
(「桙衝村誌考」「木之崎民俗調査書」より)