長沼町の伝説 -065/224page
でいる。
昔、この山に狼が、住んでいた。村人たちはオイノコと呼んで、山に 入ることを非常に恐れていた。
あるとき、村人が、たまたまこの坂を通りオイノコに出合ってしまっ た。村人は、あまりの恐しさにあわてふためき、屁をひりながら逃げ帰 ったという。それからだれいうことなくこの坂を屁っぴり坂と呼ぶよう になった。
(話者 森田昌樹)
二塚の由来 《下木之崎》
上木之崎と下木之崎の境に、二塚という字名がある。昔からここには 二つの塚があったので、この地名がついたと伝えられている。
古境と思われるが、この塚を掘ると、「目がつぶれる」いわれていたの で、だれも掘る人はいなかった。今も塚は小さいが、星源一氏宅の森の 中にあり、御幣が立てられている。一つは森の外にあり、開田工事のた め、小さくなったが残っている。
(話者 星保教・森田昌樹)