長沼町の伝説 -082/224page
石(くゞり石) 《上江花》
上江花より天栄村八十内に通ずる県道の側に(旧茨城街道)岩磐 がある。その岩の一部に上下に通ずる縦穴が掘られていて、その 大きさは人体がようやく通ずる位いである。この穴をさかさにく ぐる時は仏陀に会うことができるといわれる。身体病弱の人がく ぐれば仏陀に遭いその結果、健康になると伝えられる。
ここの岩磐には弘法大師が彫ったという三十三観音があるとい うが、地殻の変動で磨滅したためか、今は全部は見られない。
(「岩瀬郡誌」より)
求願和尚と供養塔 《滝》
滝屋敷の入口、小川商店の前に、供養塔が一基建てられている。これは求願和尚の建立したものとい われる。求願和尚は徳川五代将軍綱吉公の時代に、徳川家の菩提所、芝三緑山増上寺三十六世祐天上人 と兄弟弟子だったといわれる。
求願と祐天は同じ浄土門に学び、別れる時、二人の僧は救世済民に一生を捧げる事を約し、決して大 寺の主とならない事を仏に誓って別れた。