長沼町の伝説 -091/224page
神仏に関するもの
眞勝寺 《勢至堂》
勢至堂には眞勝寺という寺があった。
勢至堂は天文六年、芦名盛氏が大沼郡西方の地頭、赤目越中、同郡滝谷地地頭、八田四郎兵衛に命じ て、大山を開いて関を設けた。月輪、更科、西方の村民が移り住んで村となった。
のちに耶麻郡堂島村から勢至の尊像を移して、一村の守りとして、村の名を勢至堂とした。勢至菩薩 を祀った堂を光風堂と呼ぶ。寺のできた年代は分から ないが、勢至山蓮華院真勝寺といった。
眞言宗新義派に属して、桙衝荒鹿山長楽寺の末寺で、 本尊は阿弥陀如来であった。
本居宣長の弟子で歌人、泉園がこの寺に泊まり、
。
夜たゞふる雨の音のみまくらにて
明けゆくまでのともしびもなし
と歌っている