長沼町の伝説 -093/224page
藤沼神社由来 《下江花》
祭神 木花開耶姫命
石背国造建弥依来命
相殿 二荒山大神、熊野大神、三日月大神この社の創建の年代は詳びらかでないが、古老、の口碑による と、人皇十三代、成務天皇の御代石背国造建弥依来命が始めて この郷に草創の産土神と崇めたといわれている。
旧跡は今なお長沼町の東にある沼の御前といわれ、清和天皇 の貞観五年、磐瀬朝臣豊野、靈夢のお告げによって江花黒沢に 遷した。さらに、その後高鳥山の巽に移し、そこは今の古沼と いい、再転して現在の地に鎮座したことになっている。
なお昔は、前後の山林はみなことごとく境内地であった。社前に沼があり、時ならずして水をたたえ ることがあって、それが多い時には百余日に及ぶので、近郷近在の人々は是神異なりといっている。
陽成天皇の元慶年中に文屋有房が参詣されて献詠の歌があるといわれる。
御西院天皇の寛文十二年、除地免租、東山天皇の元祿十三年、水戸連枝松平頼隆の領分となり、幣帛 料を奉納し、境内を不伐林として祈願所と定めた。五穀豊穣、養蚕倍盛安産守護を祈ることはむろんの