長沼町の伝説 -113/224page
である。立石神社の名はこの立石 より起こったものであろう。
村の言い伝えによると鎮守様は、 姥石より生まれたといわれている。 このことは『白河風土記』にも記さ れている。
姥石は、神社参道の階段中ほど の東側にある大きな岩で、二つの 岩が重なり、割れ目があり、女性 を象徴している。また社の裏の立 石は男性を象徴している。これを 村人たちは古くから、天地創造の神、伊奘諾、伊奘丹尊に見立てて信仰したのであろう。
その後、姥石から出た御神体は、伊奘諾、伊奘丹尊の御子、大日靈女貴、即ち天照大神を祭神として 祭ったと思われる。神社には、松、杉、樅などの大木がうっそうとしているが、明治年間の台風をまと もに受けて、大木が相当倒れたといわれる。昭和二十 年、神社拝殿再建の折、伐採した樅の大木は三 人で抱えるほどの太さがあった。
(話者 古川 明)