長沼町の伝説 -115/224page
になって村人たちによって、今の大きさのお堂が再建された。旧三日十七日、春祭として復活された。
(話者 古川明)
權現様 《小中》
古屋敷の西、菅田の南の方に、權現様と呼ばれている所が ある。昔、權現様の社があり、沼があって、藤の太いのが大 木にからみ、うっそうと繁っていたので、藤森權現様と呼ば れていた。
この神様は非常にあらだな(荒々しい)神様だった。昔、村 の成人がここの藤を切ってハバキ(農耕用のすね当)を造って 使ったところ、すねっぱぎに、くっついて離れなかったので、 村人は恐れて、ここの藤は切らなかった。
またこの杜には、非常に立派な、しろみの鏡(銀の鏡)が納 められてあった。村のある人が持ち帰り、自分の家に入った ところ、家中一面に光りかゞやいたので、怖れをなして、ま た返したといわれている。