長沼町の伝説 -116/224page
宮本のある人が、ここより藤を切って持帰り、氏神様に上げて置いたところ、芽が出て生きづき、今 も太い幹になっている。
この近くには、板碑(供養塔)が、何の言い伝えもなく、ひっそりと立っている。
(話者 古川 明)
日照田観音と大松 《新田》
小中境之内は、小中村と桙衝村の境にある屋敷なの で、その名ができたといわれる。その境の所の桙衝分 に、日照田という地名がある。ここは小中村の落尻の 水を掛けるので、いつも水不足で、日照田という名前 が付けられた。
ここに桙衝新田の御堂があり、観音様が祀られてあ った。森に囲まれ、松の大木もあった。昔は、新田の 屋敷は、門無や玉根にも何軒かあったが、いつ頃か今 の所に屋敷が集まったので、御堂も遠くなり、参詣も少なくなって、御堂も、荒れるにまかせられてい た。