長沼町の伝説 -119/224page
一族の円谷觀音、岡部一族の岡部觀音、日照田觀音が一緒に祀られてある。
安藤觀音に附属した掛軸があり、代々安藤家の宝物として今に残っている。觀音様の祭は、旧正月十 七日と三月十七日で、とくに三月十七日には、見世物小屋がかかり、大変にぎわったという。この管理 は屋敷の女年寄が前日より集り準備した。
子安觀音なので、安産祈願と子育祈願のために、各地から多数の参詣人が集まった。子供が丈夫に育 つようにと産着を借りて行く人があり、また丈夫に育つとお礼のために産着を上げた(奉納)ものである。
御堂建立の時、魔除のために植えられたという。ひいらぎの木は、当地方に稀な大木となって、その 年月を物語っている。
(話者 円谷 実)