長沼町の伝説 -129/224page
大力の和尚がいた長寧寺 《矢田野》
今から約二百年前の明和七年、田村郡守山町長輿寺より矢田野長寧寺に転住してきた大力無双の和尚 がいた。長寧寺第八世卍外台道大和尚である。和尚の怪力ぶりは、近郷近在で話題となるほどであった。 中でも、寺の境内の石の浄水鉢を一人で担いだ話は委細に語り継がれている。
現在、長寧寺本堂南側に苔むした大きな石の浄水鉢がどっかと置かれている。その西に、当寺八世大 和尚と書かれた墓がひっそりと建っている。(安永七年六月二十八日に亡くなった卍外台道大和尚の墓 である)
(話者 本田栄三)