長沼町の伝説 -135/224page
どおやま長者 《小中》
小中麦久内入口、どおやま(銅山?)という山がある。昔、 ここに「どおやまどおざん」という長者が住んでいたといわれ ている。
このどおやまは長者屋敷の築山で、前の広い所には家があ って、山の裏の池は泉水で、今はこの沢の池は田園の貯水池 になっている。
この長者は風流な人で、毎日、牛に乗って笛を吹きながら この山の峯を登り、大高山(高台山)まで登ったといわれてい る。長い年月登っている内に、途中で倒れて、死んでしまって、 そのまま石になったという。今でもその石を牛石と呼んでい る。
ここには、また長者が宝を埋めた所があるという。その宝 が埋めてある所を示す唄がある。
朝日さす夕日輝くたんぽぽの木の下に 黄金千倍二千倍
しかし、宝のあるその場所は今もわかっていない。
(話者 八木沼勝美)