長沼町の伝説 -176/224page
紛争に関するもの
首切場にまつわる話 《長沼》
ウルイ原南無法蓮華経の供養碑の建っている所が長沼領の首切場で、罪人のしおき場であった。
幕末の頃、長沼領袋田の里の庄屋と部落民の間に争いが起こり、千左エ門という人が、部落民に迷惑 のかかるをおそれ、罪を一身に引受け、取調べをうけ、庄屋の非を訴えたがいれられず、本陣のある長 沼で処刑されることになった。
首切場には人の入れる身丈ほどの穴が振られ、周り には、竹矢来がめぐらされた。当日千左エ門は長子と ともに町中引廻しの上刑場にむかったが、バクタレ馬 の代掻鞍に乗せられた千左エ門を見て、目を伏せない ものはなかったという。
引廻しの後、衆人の見まもる中で十六才の長子とと もに首を切り落された。千左エ門の辞世として、