長沼町の伝説 -195/224page
あるいは地上一・五メートル位の高さで真紅になり、あたかも火 を焚いたようになって、後に火の玉となって中央に昇ることもある。
明治四十四年八月には、毎夜のように出たという。昔はまた、古 館や堀込の附近からも、亀居山に向かって火の玉が飛んだともいわ れている。
(「桙衝村郷土誌」より)
蛇明神と大藤 《志茂》
名面沢地内に、昔、大蛇が住んでいたが、年老いて亡くなった。大蛇を蛇明神と命名して、現在地に 祀ったといわれ、樹令約三百年以上と思われる。老杉の根元に石の祠がある。
村人は、年一回の祭りを行い、供物は藁のツトッコに赤飯をいれて御参りするので、地内の人は蛇に 噛まれたことがないといわれている。
杉の根元には、大きな藤が生えて、杉の木に大蛇のようにぎりぎり巻き付いているので気味が悪く、 ぞっとする。
現在の藤は、今より六〇年以前に切られ、二代目だが、一代目の藤を切った人は、その直後、病いに