長沼町の伝説 -197/224page

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御子安様 《木之崎》

 木之崎、泉福寺には、子安觀音様がある。「お子安様」と呼んで村の人たちが信仰している。ずいぶん 昔からあって、ご利益のある仏様である。

 お産が近づくとお寺に申し込む。そうすると、村の青年たちが夜、厨子に入った御子安様を背負って その家に着く。門口で手をたたいて、家の人に知らせると、その家の人が取り込むのを見てから帰る。 家の中に安置して信仰するので、この村では難産する ものもなく、皆丈夫な子どもに育つのである。

 七夜には、取上婆様、親類の叔母様たち、隣近所の 嫁様たちを招んで祝事をやる。

 御子安様はまた、お寺にお帰りになる。お寺と青年 に御神酒を各一升づつ上げる。お禮に頭布や前かけを 御子安様に上げる。

        (話者 橋本サツ)

御子安様
御子安様

北作の地蔵様 《北作》

 北作屋敷の前の山裾に地蔵堂がある。ここは桙衝、長楽寺の末寺で、迦羅陀山地蔵寺といったという。 本尊は、木造半加像の地蔵様で、作者は不明だが、厨子に入ったりっぱな地蔵様である。


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