長沼町の伝説 -200/224page
退(しし)ゃって来た岩なので、今でもこの岩をししゃり石と呼んでいる。
この話は、私が上江花の遠藤平七さんから聴いた話です。
(話者 善方修吉)
久保の化石 《下江花》
江花字久保東県道沿いの南面に、苔むした岩肌があり、私 たちが子どもの頃、よく遊んだ思い出の所である。
私たちの子どもの頃、よく聞かされた話で、大昔、この化 石は向原のしさり石より大暴風雨の夜中に、二つに割れて大 うなりを立て、現在の所にくっついたといわれている。
その時、村の勇猛なる人が、これは妖怪のしわざと大槍を もってこれを刺したといわれ、現在、この岩の西側の方脾腹 にあたる所に、漏斗状の直径一二、三センチの深さも同じ位 の穴がある。これが槍のあとで、この穴に耳をあてれば、昔 の音が聞かれるといわれている。子どもの頃、よく遊びに行 ったものである。
(話者 柏村英一)