長沼町の伝説 -203/224page
ば、龍燈でなく、妖怪であろうか。
(「長沼名義考」より)
土橋人の山男 《長沼》
土橋人の山男というのは、昔、この山で、山男に逢った人が幾人もあったといわれる。その容貌、人 界の人にあらず、草葉の衣を着て、火に掛けたものは喰わず、物いわずという。
この男は幽界の人か、山住の仙人か、木靈の類かははっきりしない。
(「長沼名義考」より)
寿黛仙人 《長沼》
長沼の南の田圃の中に円形の丘がある。ここは寿黛山と いわれて、昔、寿黛(地代坊)仙人が、昼寝した所といわれ ている。
この仙人は山居山にも住み、天鳥山の樅の大木にも住んで いたという。樅の大木の梢より思う所に飛んで行き、またこ の木に帰って来ると伝えられる。
のちに、この仙人、高鳥山(高土山)に隠れたといわれるの