ふるさと昔話 - 004/056page

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里守屋の忍術使の話

  第一話 胡蝶の舞い

  第二話 風に乗って飛ぶ

  第三話 太平洋の海水を呼ぶ

 

   第一話 胡蝶の舞い


 四国のある国に白雲という忍者使いがおりました。
彼は忍者を使って悪事を働き、その罪でいよいよ打首ということになりました。

 「白雲、お前もいよいよこの世ともお別れじゃあ、最後になにか言い残すようなことはないか。望みによっては聞きおくぞ」とお代官様が言いました。しんみょうに頭を垂れて白雲は漸時黙っておりましたが、おそるおそるこう申しました。

 「私もいよいよこの世の中ともお別れでございますが、これも皆、わが身のサビから出たもの、いたし方もござりませぬが、ただ一つだけ心に残るものがございます。それは私が苦労して憶えた忍術の中でも奥儀の中の奥儀という胡蝶の舞いという術をいまだ使わずに死ぬことが一番残念でご座います。これだけが心残りでご座います」
 「ホホー その様な奥儀がまだ残っておったのか。それでは、その奥儀とやらをよの面前でやってみよ」
 「でも忍術は此の世の御法度でご座いますから使うわけには参りません」
 「此の世の御法度でも代官たるよが許すによって早うやって見せよ。皆の者早う用意をいたせ」

 お代官様のたっての望みにより、白雲はおナワを解かれ、三十尺余の大竹がお庭の真中に五、六人の足軽どもによって真すぐに立てられました。

 白はちまきにはかまのももだちを取り、白扇二本を手にもって


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