ふるさと昔話 2 - 019/066page
てしまったんだと。
ばかむこは、わげさかえっとすぐ
「おっかあ、いま帰ってきたぞい。よめげでうめえものくってきたぞい。うんとうめえんだぞい。つくっておくれ」
って、たのんだと。おっかあは、
「それはいがった。何ていうのをくってきたんだ。教えてみろ。」
って聞いたと。
「ドッコイっていうんだぞい。ドッコイをつくっておくれ」
って、答えたと。おっかあは、きいたこともねえ食いものでたまげて聞き返したと。
「ドッコイってなんだ。どだくいものだ。」
「まるいんだ。ドッコイっていうんだ。ドッコイをつくっておくれ。」
「ドッコイって何だ。」
「ドッコイって、まるいんだ。」
「ドッコィって何だ。」おっかあはあきれて、しめえにおこって
「嫁げではじかいてきたのか。ドッコイなんてきいたことがねえ。」
って、ばかむこのあたまをぶんなぐったんだと。そしたらばかむこのひたいにちっちゃいこぶができたと。
おっかあは、こぶをみて
「ダンゴみてえなコブだ。」
って、ゆったんだと。
それを聞いて、ばかむこは思い出したと。
「そうだ。ダンゴだ。」
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