ふるさと昔話 2 - 061/066page
「なにーそんな大忍術はおれも初めてだー」
「そうだろう 明日の十時頃に滑川の橋のたもとで待っていろ、おれの大名行列を見せてやるから」といって、山賊とわかれた。翌日の十時頃、山賊は滑川の橋の下に隠れていると、下にー 下にーと、おごそかに二百余人の大名行列が本当にやって来た。
山賊は、籠の中にはあの小僧がお殿様に化けて乗っているにちがえない。小僧のすました顔がみたくなり橋の下から飛び出して「小僧、小僧でかしたでかした うまいことやったなあー」と籠に近づき、籠の戸を開けようとしたから さあー大変 行列の武士が数十人 無礼者 無礼者といって山賊を取り押えてしまつた。山賊は目玉キョロ キョロ。この大名行列は本物の二本松藩丹羽公(にわこう)様の行列で法念は前から今日来るのを知ってたのでした。
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