石川町の文化財 - 006/010page
長泉寺
長泉寺は、永享8年(1436年)に開山された曹洞宗の寺です。境内隣接の墓地の中程には、石川氏17代義光より23代晴光まで7代の三芦城主の墓があります。
24代昭光がこの地を去って400年にあたる平成2年、開基義光550回大遠忌が行われ、あわせて損傷の激しい宝篋印塔(ほうきょういんとう)や五輪塔の修復工事が行われました。規模は間口が約2メートル75センチ、奥行が1メートル50センチです。垣根の石柱には寄贈者の氏名が刻まれてあります。石塔には「石川駿河守植光・享禄三伊勢守晴光」の銘も見られます。(石川公墓地)
安養寺の石造塔婆(町指定文化財)
石造塔婆は板碑ともいわれ、鎌倉時代から室町時代に武士の間で流行した死者を供養するための塔婆です。この石造塔婆は、石川地方の特色である線彫の阿弥陀三尊来迎塔婆で、石材は安山岩質凝灰岩で造られています。「応長二年(1312年)壬子正月廿日逝去也」と銘が彫られています。
線彫りの阿弥陀三尊塔婆は、関東地方に多く福島県内では中通り地方には見られないため、当資料は貴重といえます。また、石川地方のものは関東地方のものとやや形態が異なり、二条の切り込み線と梵字などが刻まれている身部の中間に、額部を作り出しているのが特徴です。和久石造塔婆(町指定文化財)
かつて薬師堂があったと伝えられるところに3基の石造塔婆があります。線彫のものは2基あり阿弥陀三尊来迎塔婆と、ほぼ全体が赤や青で彩色された阿弥陀一尊塔婆です。もう1基は、浮彫りの阿弥陀一尊塔婆です。いずれも石材は安山岩質凝灰岩で造られています。
舘石造五輪塔(町指定文化財)
石川氏一族である沢井氏の居城跡と伝えられる沢井城跡の、東側中腹にある大型の五輪塔です。
空・風輪は一石でつくられており、水輪は楕円形で、地輪は台形状であります。外形より、鎌倉時代末期から南北朝時代初期のものと考えられています。