玉川村勢要覧 -020/038page
TAMAKAWA HUMAN STORY
玉川新人物伝3
神輿(みこし)をかつぐ子どもの元気な声が、なによりの楽しみだない。
岩谷 繁
Iwaya Shigeru
玉川村就業改善センター管理人
『子どもたちに夢を与えたい』とい う思いが、大きな原動力を生み、独学 で作りはじめた子ども神輿。その評 判は村内のみならず、福島市、石川 町、会津高田町などにも届き、寄贈し た神輿は数多い。岩谷さんは祭りを 元気にさせる名脇役だ。
神輿をかつぐ子どもたちの周りに 多くの人が集まり、大人も子どもも 活気づく。その情景は、岩谷さんに とって一番のはげみとなり、責任感 も生まれてくる。
岩谷さんの毎日は多忙だ。
「昼は管理人の仕事をして、帰宅する と農作業を手伝う。その合間に神輿 を作っているんだよ。知り合いの建 具屋さんから材料をもらって骨組み を作り、屋根は園芸用の土、全体に金 箔や朱を塗り、装飾金具で飾り付け をして、金色に輝く鳳凰を屋根につ けると完成だ。材料費の多くは自費。 制作に約3ケ月位かかるかなあ。」高さ1メートル、重さ約15キロク ラムの神輿は、細部までが緻密(ちみつ)で美 しい。五穀豊穣の神への感謝の気持 ちを表わすと同時に自身の存在感を 主張しているように思える。
昭和57年から作り始めた神輿は数 多く、完全に岩谷さんのライフワー クとして定着した。もちろん、いまで も図書館で専門書を手に取り、研究 する熱心さには脱帽させられる。
「子どもたちの威勢のいい掛け声を聞 くと、大変さよりも楽しみのほうが 大きいからない…。」
と話す岩谷さんには、孫が10人、ひ孫 が3人いる。子どもたちに囲まれて いるからこそ、子どもの気持ちを理 解し、喜ばせたいという気持ちが人 一倍強いのだと思う。この他にも手 先の器用さを生かして、地元老人ク ラブに芸能用獅子頭を寄贈したり、 木彫りの観音像を制作。観賞用菊の 栽培や師範の資格をもつ書道など人 生を豊かに生きてきたお手本のよう な人である。
「趣味が人様の役に立てれば、それ以 上の幸せはない。」と笑顔で語る。これ からも玉川を支える元気人として、活 躍の場を広げていく姿勢だ。