玉川村勢要覧 -021/038page

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TAMAKAWA HUMAN STORY

玉川新人物伝4

村の史実を探りながら貴重な文化財を数多く残したい。

岩谷 浩光

Iwaya Hiromitsu
大雷神社 宮司
小高民俗芸能保存会顧問石陽史学会会員

岩谷 浩光

 慶長年間から40代にわたる旧家 で、小高地区・大雷神社の宮司であ り、周辺の神社の管理を一任されて いる存在だ。

 また、秋繁りに大雷神社で披露さ れる恒例の「浦安の舞」の後見人で ある。夏休みに村の小学5・6年生 の少女が体育館に集まり、4人一組 で稽古に励み、『日本全国津々浦々 が平安でありますように』と静かな 祈りを内に秘めて奉納する。

 さらに昭和40年頃から古文書・ 歴史書を執筆し、「玉川村史」や「福 島県の地名大辞典」などの編著を手 がけ、専門誌にも多くの投稿があ る。古墳から古代文字の解読まで、 岩谷さんの手にかかれば、わからな いものはないだろう。

 玉川村、浅川町、石川町、郡山市の 公民館主催「市民講座」の古文書講 師を長年頼まれ、感謝状が書斎にあ ふれている。平成5年に「文化財保 護」文部大臣表彰を授与されたほ か、県知事からの表彰状も。

 「古文書解読は、いくら経験を積 んでも十分ということがない。膨大 な資料を集めてやっと解読できた ときに、初めて充実感を感じる…。」

 歴史を見つめ続けてきたこの鋭い 眼力こそ、村の貴重な史跡・文化財 を後世に伝えるエネルギーなのだ。



TAMAKAWA HUMAN STORY

玉川新人物伝5

豊年満作に感謝する気持ちを子供たちに伝えたい。

溝井 郁夫

Mizoi Ikuo
平鍬踊り保存会長(小高民俗芸能保存会長)

溝井 郁夫

 小高、竜崎、北須釜、南須釜、山小屋 で3〜5年に一度、披露されていた 「平鍬踊り」。小高地区では一時は途 絶えたが、20名の子どもたちにより、 9月から秋祭り当日までの毎週土曜 日に公民館で練習が行われるように なった。

 溝井さんが、大宮神社の宮司から 「平鍬踊り」継承の頼みを快く引き受 け、6年が経過。
独特な竹製の横笛を吹く8名の青年 にあわせて、60歳前後の婦人たちが 子どもに稽古をつけ、本番では2列 になって鐘を鳴らし神社本殿に一礼 した後、10分前後の踊りが奉納され ている。

 はちまきに法被、腰帯、足袋に草履。 花を背負い、白い障子紙と金紙で 洗った鍬を両手に持ち、こすりあわ せて打ち鳴らす。

 「地元の人からは『平鍬踊りをこ こまでにしてくれてありがとない」 といわれ、苦労の甲斐があったと 思っている。

 現在は地域の人々からの寄付も 集まるようになり、子どもが本気に なって踊る姿を見ていると、村の子 どもの育成に役立っているのかな と感じる。神様に感謝する気持ちを 忘れずに、育ってくれればいい。」

 平鍬踊りを保護、保存継承しよう という強い想いが地域の人々にあ る限り、伝承芸能として今後も残さ れていくことだろう。


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