玉川村勢要覧 -025/038page

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南須釜の念仏踊り1

南須釜の念仏踊り2

 亡くなった親族の御霊を供養する ために踊られる念仏踊り。ここ玉川の 念仏踊りは、まだ、あどけなさの残る 少女たちによって踊られ、見るものを 引きつけて離さない不思議な魅力に あふれています。

 毎年春の大寺薬師祭の四月三日と 夏の八月十四日に新盆の家々をめぐ り踊られる念仏踊り。その舞台となる 南須釜の東福寺境内には「寛廷元辰 (一七四八)九月吉日念仏供養結衆敬 白」という念仏供養塔があり、当初は 十五、六歳の男女によって踊られてい たことが知られています。さまざまな 理由で昭和二十七年に途絶えていた 踊りを大野ケサさんが再興させまし た。現在の踊りも、そのケサさんが大 正四年(一九一五)12歳のときに踊った 記憶をもとに再現され伝承されてい ます。

 念仏踊りの踊り子は7〜12歳位ま での少女で、約二十名ほどで構成され ています。継承に関しては、以前は各 地区ごとに世話人がいましたが、南須 釜念仏踊保存会によって、踊りの指導 や管理運営が行われています。
少女たちの衣装は、もとは元禄の小袖 だったのが春は振袖、夏は浴衣で裾か らげに膝までたくしあげて、その下に 鮮やかな赤い蹴り出しと脚袢をのぞ かせます。そして、たすきがけをして 手甲、白足袋と草履をはき、花や切り 紙で彩られた綺麗な妻折笠をかぶり、 手には白扇子と綾竹をもち、踊りにあ わせて使い分けます。


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