あさかわ 浅川町勢要覧2000◎町制施行65周年記念 -007/038page
まちづくり花火への提言
両町青年会の仲間たちは、花火大会が近づく七月ごろから活動が本格化する。仕事が終わった後、花火大会を盛り上げる「盆踊り」 の太鼓の練習を行い、企業への寄付の依頼にまわる。花火大会は集まった寄付金やまちからの補助金によって支えられてきた。
その活動をより支援するため、「ふるさと創生事業」の一つとして浅川花火の継承事業が取り上げられ、伝統花火の継承をまちぐる みで推進することになった。平成四年には伝統文化としての花火の継承の理解を深め、花火大会を後援するために「浅川の花火後援会」 が発足。両町青年会のOBを中心に約一八〇人で組織する後援会は、予算の支援、青年会への勧誘・促進、花火大会のPRなどを受け 持っている。これに浅川町商工会が主催する「花火の里フェスティバル」も花火大会に合わせて開催され、色を添える。まちが一体と なって「浅川花火」を共有し、受け継いでいく体制が整ってきたといえる。
人々の暮らしや価値観が時代とともに大きく変貌しつつあるいまも、浅川には先の時代の人々が創りだした伝統が脈々と息づいてい る。伝統と創造、継承と次代への挑戦、先人と今に生きる人々の想いが溶け合い、調和して、未来の浅川が創りあげられていく。その家ごとに代々伝えられてきた門外不出の花火秘伝帳。
独自の花火を作るため、火薬の配合などが詳しく記されており、 これにそって−人3本から4本を自責で作っていたという。 この秘伝帳によって浅川の花火は伝統花火として継承され、「狼火」や「龍星」といった手作り花火は昭和初期まで続いた。