あさかわまちが生んだ偉人-002/093page
いるのでした。
ふるさとの浅川村(浅川町)では小さいころから自然が大好きで、野山で遊ぶのにむちゅうだった富三です。最初、勉強はあまり熱心ではありませんでした。しかし、小学校の五年生ぐらいになると、急に成績が上がりだしてきたのです。これに、本人の努力も加わって、小学校卒業のころには、担任の先生から、
「君の学力なら東京のどこの中学を受験してもきっと合格する。」
といわれるまでになっていました。
さて、先生にすすめられて受験にやって来た府立一中です。筆記試験は思ったよりもやさしく、富三も心の中では、
「あんがい、かんたんに合格できそうだな。」
と思っていました。
ところが、面接試験にはいったとたん、先ほどのようなこまったことになってしまいました。実は、富三の話す言葉が、面接にあたった先生にはさっぱりわからないと言うのです。
生まれてからもの心づくまで、ふるさとの浅川村から一歩も外に出たことの