あさかわまちが生んだ偉人-022/093page
その後、団子を工夫して与えながら、とうとう肝臓ガンを発生させることに成功したのです。
「やったぞ。とうとうできたぞ。」
顕微鏡を見ていた富三は、心のなかで誰にもきこえない大声をはり上げました。
成功の報告を受けた佐々木先生は、富三の手をしっかり握りしめ、「一回の実験は、実験にあらず。」と言って、さらに研究を続けるようすすめました。
その後、富三は肝臓ガンを多数作る研究を行い、その結果を論文にまとめました。その論文は、世界的に有名になりました。
「一つの予想を立て、それを証明していく仕事には非常に魅力がありますが、一方では、その仕事の結果とは直接関係なさそうに見えることでも、よく観察していくということが大切だと思
1935年(昭和10年)4月32歳
癌学会賞山極賞の受賞を報じた新聞社の写真より。
東京小石川林町の借家の書斎で。
長男直哉氏(NHK特別専務理事待遇)と共に。