あさかわまちが生んだ偉人-056/093page
するには、どうしたらいいだろう…もしかしたら、あの砥石の粉が使えるかも。)
と、とっさに思いつきました。
砥石の粉というのは、みんなも知ってるように砥石で刃物をといだときに出るあの粉です。稔は、砥石でかみそりをとぐたびにその粉を見つめながら、いつも、
「この粉をなにかに使えないものだろうか。」と、考えていたのです。
稔は、はやる心でさっそくためしてみました。まず、水の底に沈んだ粉を取り出してよくかわかし、グリスと合わせて練りました。これを使って、コックがピタッとすり合わせることができるように実験したのです。
(うまくいきそうだが、ピッタリ合わないぞ、どうしたらいいのかな。)
しばらく考えてから、稔は、
砥石で刃物を研ぐ