あさかわまちが生んだ偉人-073/093page

「私は、『自分にしかできないものをつくるんだ。』といつも心に言い聞かせていました。
そのためには、自分で工場をつくることです。たった一人で始めた工場で、寝るひまもおしみ働きました。しかし、どんなに研究しても失敗のくり返しでした。」
稔の額にきざまれたしわが、ゆがんで見えました。きっと、当時のつらく、苦しい日々を思い出しているのでしょう。しわの一つ一つが、稔の生き方を物語っているようです。
「しかし、私は決してあきらめませんでした。いつしか、私の仕事が認められるようになりました。発明賞など、たくさんの賞をいただくことかできるようになったのも、あきらめずに努力したからだと信じています。
今、幸せにも多くの人を使って会社を経営しています。社長と呼ばれるよ