三春の自然-010/070page
が、かわいい花を咲かせていろ。山あいの田んぼの水たまりや、池に産みつけられたアカガエルやヒキガエルの卵、セリの若芽立ち、ドジョウやタニシの日なたぼっこ、水をもとめてやってくる
小鳥たち、水辺は終日春をおう歌する。
フキのとうをつみながら、北斜面の雑木林のすそを通り過ぎると、かれんなカタクリのうす紫色の花が目を引く。この花が、ほかの下草にさきがけて咲き、春のものういばかりの日光を浴びている姿は、やがて青葉で日光がさえぎられる下草の、精いっぱいの喜びをあらわしている。
家々の土手に黄色のフクジュソウの花が咲くころになると、みごとな群生のある中郷地区の根本地内や蛇沢地内の土手を思い出す。
三春地区の真照寺のミズバショウの花のたよりもそのころである。あやしいまでにすき通るような白い花(包葉=葉の一種で芽やつぼみなどをつつんでまもるもの)やわらかな緑の葉のういういしさが印象にのこる。
道ばたのタンポポは、まだ背は低いがいじらしい花を咲かせている。西洋タンポポのすさまじい繁殖が目につく。関西方面に多い白花のタンポポを見かけるときもある。
カタクリ
ショウジョウバカマ