三春の自然-011/070page

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「山路きてなにやらゆかしすみれ草」の句を思い出させるように、紫色のスミレがかわいらしくにおっている。かれんな姿なのに案外除草剤に強く、畑の中にもたくさん咲いている。この花の紫の美しさは格別である。日本はスミレ科の植物が多い国である。三春町にもエイザンスミレやアケボノスミレなどのめずらしいスミレをはじめ、多くの仲間を見ることができる。夏、根元の土を掘ってみると花を咲かせているものもあるので、調べてみるとおもしろい。
少し日かげのしめった山すそや、小川のふちには、ネコノメソウやエゾエンゴサク、アズマイチゲなどの花が咲いている。
明るい林の中には、シュンラン(じとば)の花が貴公子のように咲いている。春の雑木林は意外に明るく、やさしい山草と出会うものである。ニリンソウ、ヤブレガサ、イカリソウなどの山草、ときには、ちょうなどもいてなつかしい思い出を作ってくれる。
沢石地区の富沢のジャリ山に登っていくと、マンサクの花が金糸をちぎってかざりつけたように咲いている。雑木林の主人公であるナラの銀白の芽の開いた姿など、いいようの
シュンラン
シュンラン

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