三春の自然-019/070page
コナラ林がしぶい紅葉をし、草もみじが野山を彩り、チガヤの紅葉が夕日に映える景色は、三春の自然の美しさに、おもわず祈りたい気持ちになる。
土手のススキの綿毛は、綿あめのようにふくらんでゆれている。池や小川のほとりにも、小鳥たちが群が群がっているのが目につく。カルガモが泳いでいたり、美しいるり色のカワセミがくいの上に止まっていたりする。アシやオギの秋姿はさびしい。枯れ草の中には、動きのにぶくなったカマキリ、わずかばかり先の開いたリンドウの花、それは、過ぎゆく季節への祈りのようである。
熊耳の古殿の男井戸で見たキカラスウリの葉が霜枯れ、黄色い実が夕日に照らし出されている。白いレース編みのような花からこんな姿は、想像もつかない風景である。
冬がれのキカラスウリ
岩江・中妻・中郷地区の川の土手をすっぽりつつんでいたアレチウリも枯れはてみすぼらしい。
自然のいとなみというものはふしぎである。冬
アレチウリ(帰化植物)